SSブログ

経済紙は意外と過激思想 [社会]

 先日、銀行で、待ち時間の間にある経済紙の社説を読みました。そこには超高齢化社会における社会保障の負担費をいかに抑えるべきかという趣旨で記事が書かれていました。
その記事を要約すると、国民年金だけでは生活できないお年寄りと生活保護で生活しているお年寄りを、同じ建物に住まわせて、1~2万円だけ支払い、残りは食料、衣料等を現物支給すればよいと書かれていました。このようなお年寄りの国民年金と生活保護費を国管理にし、建物の部屋を全部同じ間取りでつくるという。そうすれば建設コストが安くすみ、このような公共事業であれば、国民の理解も得られるというのである。また食料についてはTTP参加国や中国・東南アジアの食料をすべて利用すれば安上がりで済むという。同じく衣料についても外国から仕入れ、健康ランドの館内着ではないが、2L、L、M、S寸の4種類を用意し、男性にはブルー、女性にはピンクを着せればよいというのである。
 確かにわが国の財政赤字が増大している今日、社会保障費についてもメスをいれていかなければならないのは事実ですが、このような極端な主張は賛成できません。例えば食料についていえば、中国の毒入り餃子やアメリカの生産者自体も食べないと言っている遺伝子組み換えのトウモロコシを年寄りに食わせれば良いと言っているようにも聞こえます。また同じ建物に住まわせるという点は強制収容所を連想してしまいます。同じ食べ物、同じ衣服という画一的取り扱いも、ややもするとナチズム的な発想に結びつきます。
財政の健全化を論じるにしてもこのような記事は国民に支持されないし、政治家も実現することはできません。経済紙の合理主義も行き過ぎれば、人権侵害になると思います。





nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:学問