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北方領土問題(ロシア側の主張) [国際]

 国連憲章は米ソ英が中心に起草しました。彼らは日独が敗れる前に戦後秩序をどうするかについて何度も会談を開きました。国連憲章は反ファシズムを謳っており、ドイツと同盟を結んでいた日本もファシズム国家とみなされました。国連憲章に署名(ソ連も署名)した段階でファシズム国家が結んだ条約はすべて無効になったとロシアは主張しています。つまり日ソ中立条約はこの時点で無効になったと主張しているのです。
 次に「勝てば官軍負ければ賊軍」という理論です。日本はアメリカに負けた時点で統治権を失い、沖縄同様、北方領土の統治権も失ったと主張するのである。負けた日本はアメリカのまな板の鯉であり、煮て食おうと焼いて食おうと自由な状態にあったというのである。すなわち勝ったアメリカがスターリンに千島列島と南樺太の割譲を約束(ヤルタ密約)したのだから、もらって当然だと主張するのである。
 最後に北方領土は千島列島に含まれないという政府見解(1956年2月)を出す前の1951年10月に西村外務省条約局長が吉田茂首相に国後・択捉は千島列島に含まれると言った記録を指摘しています。
これは余計なことを言ったものです。ただこれは事実です。
 このような事情から世界は日本に必ずしも同情的ではないのです。同盟国のアメリカも北方領土については本当に無責任な態度をとっています。これはヤルタ会談で自ら原因を作ったからです。
 北方領土問題は本当に解決するのが難しいと思います。あまり安部首相に期待しすぎるのは良くないと思います。うまくいって、日ソ共同宣言に基づく色丹と歯舞の引き渡しがあるぐらいではないでしょうか。プーチンの言う「引き分け」が何を意味しているのか、探る必要があります。





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