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裁かれなかった戦争犯罪人4(満州事変中心人物) [歴史]

昨年に引き続き、先の大戦の戦争犯罪人でありながら、裁かれなっかた軍人を紹介しようと思います。今回は、満州事変の首謀者である、関東軍参謀、陸軍中将の石原莞爾です。

彼は自身の最終戦争論を基に、関東軍による満蒙領有計画を立案しました。そして、政府の承認を得ず独断専行で日本本土の3倍もの面積を持つ満州を占領しました。わずか1万数千の関東軍で23万の張学良の軍を打ち破るという、驚異的な軍事成果を上げました。
しかし、このことが、悪い先例を作ることになりました。後に武藤章、田中隆吉、牟田口廉也などの参謀は石原と同様、独断専行で盧溝橋事件を引き起こし、日中戦争を泥沼化させました。そしてこれが原因となって、太平洋戦争に結びついていくのです。

また石原莞爾は皇道派の代表格であり、青年将校から尊敬されていました。永田鉄山軍務局長を白昼堂々、切り殺した相沢三郎中佐や2.26事件を起こした青年将校に大きな影響を与えていました。
ですが、彼は2.26事件を起こした青年将校とは、何の関係もないと言い張り、罪を逃れました。

さらに軍縮に成功し、軍部ファシズムの流れに批判的であり、また中国や英米などの外国にも穏健な姿勢を取る宇垣一成に組閣の大命が降下されようとした時、石原はこれを妨害し、組閣を断念させました。

彼の行動は間違いなく、日本を悪い方向へ導きました。
ただ、彼はGHQに裁かれなかったのです。不思議でなりません。
処刑になるかはどうかは別として、禁固にはすべき人物です。
彼は、たまたま、対米開戦を主導した東条英機と仲が悪かったため、太平洋戦争中は予備役に回されていました。それが幸いして、罪を免れたのです。しかし先の大戦は満州事変から語られるべきであり、間違いなく彼は戦争犯罪人です。平和に対する罪を起こしたのです。






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