SSブログ

現政権がロシアに接近しようとする本当の理由 [国際]

プーチン大統領と安倍首相の会談が終わりました。
領土の主権については残念ながら全くといっていいほど、進展がありませんでした。
しかしこういう結果になることはプーチンを招く前の準備段階である程度わかっていたはずです。首脳どうしが会う前には必ず優秀な外交官が入念に下準備をするからです。
にもかかわらず、なぜ安倍首相はプーチンを長門に招いたのでしょうか。
それは2つの大きな理由があります。
1つは安全保障上の理由です。現在わが国にとって最も危険な国は中国です。中国は昨今、軍事力を増大させ、尖閣諸島海域に軍事的挑発を繰り返しています。わが国の自衛隊の戦力は予算の都合上、限定的にならざるを得ません。限られた資源の中で軍事的プレゼンスを発揮するため、北海道に駐留している自衛隊の部隊を沖縄方面に移したいと考えているのです。ソ連が崩壊した後も北海道に精鋭部隊を駐留させているのです。
2つ目は天然資源のルートの確保です。わが国はアラブ諸国と友好関係にあるので本来、ロシアから天然ガスや原油を輸入する必要はありません。しかし、中国は昨今、南沙西沙諸島を不法に占拠し尖閣諸島付近の海域にも挑発行為を繰り返しています。また中国は台湾は中国の一部だと主張しており、台湾海峡でいつ有事が起こるとも限りません。これらの地域はアラブからわが国に石油を運ぶ重要なシーレーンになっているのです。有事がおこればこのシーレーンが封鎖されるおそれがあります。このような将来的な危険を想定して、ロシアルートを開拓しようとしているのです。
ロシアは軍事大国であり、さすがに中国もロシアルートを妨害することはできません。
今回の会談の評価は今の段階ですることはできないと思います。





nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:学問